Anthropicは、ミッドティアモデルであるClaude 3.5 Sonnetを発表し、競合他社を上回り、Anthropicの現行トップティアモデルClaude 3 Opusをも超える様々な評価でのパフォーマンスを見せました。
Claude 3.5 Sonnetは、Claude.aiとClaude iOSアプリで無料で利用可能で、Claude ProおよびTeamプランのサブスクライバーには高いレート制限があります。また、Anthropic API、Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AIを通じて利用可能です。料金は、入力トークン1百万件あたり3ドル、出力トークン1百万件あたり15ドルで、200Kトークンのコンテキストウィンドウを備えています。
Anthropicは、Claude 3.5 Sonnetが「大学院レベルの推論（GPQA）、学部レベルの知識（MMLU）、コーディング能力（HumanEval）において新たな業界ベンチマークを設定する」と主張しています。このモデルは、ニュアンス、ユーモア、複雑な指示を理解する能力が向上し、自然なトーンで高品質なコンテンツを生成する際に卓越しています。
Claude 3 Opusの2倍の速度で動作し、コンテキストに敏感なカスタマーサポートや多段階のワークフロー調整などの複雑なタスクに適しています。内部のエージェンティックコーディング評価では、64%の問題を解決し、Claude 3 Opusの38%を大きく上回りました。
また、このモデルは標準的な視覚ベンチマークでClaude 3 Opusを上回る視覚能力を示しており、特にチャートやグラフの解釈など視覚的な推論が必要なタスクで顕著です。Claude 3.5 Sonnetは、画像のテキストを正確に転写することができ、小売業、物流、金融サービスなどの業界にとって貴重な機能となっています。
モデルのリリースと併せて、AnthropicはClaude.aiに新機能「Artifacts」を導入しました。この機能は、ユーザーがリアルタイムでClaudeの生成したコンテンツを表示、編集、および構築できるようにし、より協調的な作業環境を提供します。
その大幅な知能の向上にもかかわらず、Claude 3.5 SonnetはAnthropicの安全性とプライバシーへのコミットメントを維持しています。同社は、「当社のモデルは厳格なテストを受けており、誤用を減らすように訓練されている」と述べています。
英国のAIセーフティ研究所（UK AISI）やThornの子供の安全専門家を含む外部の専門家が、モデルの安全メカニズムのテストと改良に関与しています。
Anthropicはユーザープライバシーへの取り組みを強調し、「ユーザーから明示的な許可を得た場合を除き、ユーザーが提供したデータを使用して生成モデルを訓練しない。これまでに顧客やユーザーが提供したデータを使用して生成モデルを訓練したことはない」と述べています。
将来に向けて、Anthropicは今年後半にClaude 3.5 HaikuおよびClaude 3.5 Opusをリリースし、Claude 3.5モデルファミリーを完成させる予定です。同社はまた、エンタープライズアプリケーションとの統合や、よりパーソナライズされたユーザー体験のためのメモリ機能など、ビジネスユースケースをサポートする新しいモダリティや機能の開発にも取り組んでいます。
(Image Credit: Anthropic)
